ぐらんへの応援メッセージをいただきました!ー認定NPO法人アイキャンより
認定NPO法人アイキャン(旧:アジア日本相互交流センター・ICAN)は、フィリピンの「危機的状況」にある子どもたちの福祉の向上を目的として、1994年から活動しています。
フィリピン南部の島、ミンダナオ島では、政府軍と独立・自治を求めるグループ(モロイスラム解放戦線:MILF)との間で、40年以上にわたって武力衝突が続き、過去20年間で12万人もの人たちが犠牲になり、200万人が住んでいた土地を追われました。長年の紛争により、この島のコタバト州ピキット町では、子どもの喧嘩や近所での家畜をめぐる口論でさえも、大きな氏族同士の武力衝突にまで発展することが珍しくないほど、「暴力の文化」が地域に根付いていました。そして、紛争のために学校も被害を受け、校舎の損壊や授業の長期中断により、多くの子どもたちが通学できず、生きるために武器を持つことも少なくありませんでした。
そのような中、アイキャンは、2007~2008年度に、「草の根市民基金・ぐらん」の助成を受け、ピキット町の小学校校舎の修復作業を通した地域の平和活動を促進してきました。助成によって築いた活動の基盤をその後も継続、発展させ、ピキット町の他の地域においても小中学校を建設し、地域の平和を促進する拠点「平和の学校」として機能しています。また、2011年より教師や生徒、村役員に対して行ってきた平和研修は、2015年から対象を広げ、元MILFメンバーが、暴力に頼らない紛争解決方法を学んでいます。これまでの活動を通し、地域での争いが減り、草の根レベルでの「平和」への意識が高まっていると感じています。
フィリピン南部ミンダナオ島の紛争地における平和構築活動は、現在も継続、発展させており、平和教育に積極的なモデル校「平和の学校」が、2016年3月までに19校完成しました。2017年3月までに、新たに2校が完成する予定で、今後この地域において、草の根レベルの平和を普及させる拠点となっていきます。また、教師や生徒、村役員、元反政府軍の人々に対し、平和の概念や暴力に頼らない問題解決方法を学ぶ研修も行っており、教師による平和教育を取り入れたカリキュラムの作成や、生徒による学校及び地域内での平和を促進する自主的な活動へと発展しています。こうしたフィリピンでの活動の経験と学びを活かし、近年は、イエメンの紛争の被害を受けた人々に対する活動も実施しています。
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