2019年度アジア草の根助成継続、NPO法人アクセプト・インターナショナルの活動報告を紹介します!
この度は、弊団体のインドネシア事業実施のためのご寄付をいただき、誠にありがとうございます。社会から見捨てられがちな元テロリストの脱過激化・社会復帰支援は、皆様のご支援によって成り立っており、この場をお借りして厚く御礼申し上げます。
弊団体は、「テロを止める、紛争を解決する」をミッションとして、ソマリア、ケニア、インドネシアにおいて、元テロリストやギャングなど加害者側とされる人々の脱過激化・社会復帰支援を行っております。皆様にご支援いただいておりますインドネシア事業では、世界最大のイスラム人口を誇るインドネシアのジャワ島中部・スラカルタ地域にて、宗教的過激主義組織に所属していた元テロリストに対して、「テロではないジハードとは何か?」をともに考える脱過激化プログラムを実施してきました。
本年度は、新型コロナウィルスの影響から、従来の活動を実施することが難しく、コロナ禍で何ができるのかを模索する一年となりました。インドネシアは、比較的感染拡大を抑えられていた東南アジア地域において、爆発的な感染者数を記録し、非常に大きな経済的インパクトを受けました。出所後の元テロリストは、このような状況においてより脆弱な立場に置かれる存在であると考えられます。現地とのやり取りを通じて、経済状況の悪化にともない仕事が少なくなっているなかでは、元テロリストたちが仕事を見つけて自らお金を稼ぐことが非常に難しく、まずはその日の食事や生活をどうするかが一番の問題であるという現実が見えてきました。
このような状況に鑑み、弊団体は現地NGOを通して、9月に食料品や生活必需品を含むパッケージを元テロリスト計42人に配布いたしました。現地からは、このような目に見える支援があるだけでなく、自分たちを気にかけてくれる、寄り添ってくれる存在がいるということがわかることが嬉しいといった声をもらいました。現地に行って直接コミュニケーションが取れない時期だからこそ、社会的に孤立しやすい彼らにどのようなことができるのかを考える必要があります。今後は、このコロナ禍でより持続的な支援をどのように行っていくかが課題となっております。
現在、ローカルNGOや地方政府など現地のパートナーとウェブ会議を活用した議論の場を積極的に設け、従来の脱過激化ワークショップや彼らの経済的自立を後押しするスキルトレーニングをコロナ禍においても実施できないかを検討しており、必要な準備を進めているところです。
活動地域の元テロリストの脱過激化・社会復帰を後押しすることを目的に、流動的な現場の状況も注視しながら、できることから一つずつ進めてまいりますので、引き続きどうぞよろしくお願いいたします。