2019年度都内草の根助成、認定NPO法人アトピッ子地球の子ネットワークの活動報告を紹介します!
ご寄付をいただきありがとうございます。
私たちは、食物アレルギー、アトピー性皮膚炎、喘息などのアレルギー疾患がある人たちの支援活動を行っています。食物アレルギーの人の中には、卵や乳製品、小麦などの特定の食物に対して強い疫反応を起こすため、「小中高を通して学校給食を一度も提供してもらえなかった」「別室でひとり隔離されて食事をすることを強いられた」「宿泊や外食を伴う修学旅行などの行事に参加することを拒否された」修学旅行に参加できたが学年の中でひとりだけ保護者同伴を指示された」などの理不尽な思いをしている人もいます。このような社会生活の様々な場面で、困難な状況に置かれた人の相談をうけたり、加工食品のパッケージに書かれているアレルギー表示の見方を学ぶ場を提供したり、10~20代の若者を対象に、外食や会食に伴う発症の危険を回避しながら周りの人と交流できるような対処の仕方を学んだり考えたりするワークショップなども開催しています。
また、赤ちゃんの時に発症して以来、外食も宿泊も経験したことがない人や、小学校入学をきっかけに家族で体験したいという人たちのチャレンジの場を提供するために、団体設立以来ほぼ毎年夏休みに、アトピー性皮膚炎や喘息などでキャンプの受け入れを断られた人などの受け入れも含め、食物アレルギーの人も参加者もみんなで一緒に食事できる120人規模のキャンプを開催しています。参加者の半数近くは学生ボランティアですが、ボランティアの多くも疾患がある方々で構成されています。
また、国が違い、文化や社会の成り立ちが違っていても食物アレルギーの人の置かれた状況は共通しています。国内はもとより、アジア地域数カ国の連携や世界23カ国の患者が共通して課題解決に取り組むような活動にも参加しています。
ワークショップは全国各地で開催しており相談は国内各地から届きます。事務所は新宿区高田馬場にあります。新宿区には日頃から多くの外国からの旅行者が集まり、日本語を母国語としない居住者も年々増える傾向にあります。海外から日本に来る食物アレルギーの人から日本の食品表示について質問される機会もあり、食事に不自由する様子も散見されるため、日本在住または来訪の外国人で食物アレルギーがある人に向けた「食物アレルギーYou!応援プロジェクト」に着手することになりました。日本のアレルギー表示の見方、アレルゲン食物の文字や表現(例えば卵は玉子、たまご、タマゴなどの表現がある)や欄外注意喚起(この製品は同一製造ラインでエビを使用しています)はどのような意味を持っているか、どう考えればいいか、といったようなことを多言語で解説する資料を食物アレルギーの人に届ける試みです。消費者庁や東京都が作成した資料よりももう少し詳しく、数日間は持ち歩いて使えるような資料作りを目指しています。
当初は、飲食店の壁に貼れるチラシを作り、ボランティアが新宿区内のお店を回って協力依頼をするイメージでいましたが、(1)新型コロナ禍での事業着手となり飲食店を回ることを断念した (2)オリンピックが延期されたのでオリンピックに間に合う資料になった という2つのできごとがあり、ホテルや旅行案内のカウンターに置けるミニ冊子を関係各所に郵送配布することに変更しました。
紆余曲折があり、制作するものの形態も変わったため今まさに作成中です。