2019年度都内草の根助成、 NPO法人POSSE の活動報告を紹介します!
このたびは助成団体として採択していただき、誠にありがとうございます。ご寄付をいただいた皆様に心より感謝申し上げます。
私たちは、2006年より労働相談・生活相談事業を実施しており、電話・メール・来所にて年間1500件近くの相談に対応しています。不安や悩みを抱える方々に対して、一人ひとりの状況に合わせて法的なアドバイスを行うほか、社会福祉制度の活用支援を行っています。
国内で働く外国人が増加するなか、2019年4月には外国人労働サポートセンターを立ち上げ、外国人労働者への支援を開始しました。新型コロナウイルス感染症の影響が広がってからは、仕事や収入を失い、生活に不安を抱える外国人の方々からの相談が数多く寄せられるようになっています。
今回いただいた助成金では、国内で働く留学生の権利や生活を守ることを目的とした事業を実施します。留学生たちはアルバイト先で弱い立場に置かれることが多く、人権侵害に遭いやすいといえます。私たちのもとにも、「会社からパスポートを返してもらえない」、「トイレに行くたびに罰金を取られる」といった相談が日々寄せられています。
しかし、そうした状況に抗議をすると強制的に帰国させられる可能性があるため、辛い状況でも我慢して働き続けている留学生がたくさんいると考えられます。留学生たちの権利を守るための支援が求められていますが、言語の問題もあり、彼らが支援の情報にたどり着くことは容易ではありません。
そこで、私たちは、留学生たちに支援に関する情報を届ける活動を行いたいと考えました。この事業では、英語や「やさしい日本語」で書かれたパンフレットを作成し、地域の日本語学校、教会、外国人の集まる飲食店などで配布し、労働法の知識や相談窓口に関する情報を周知していきます。
現在、プロジェクトチームにおいて、パンフレットの内容やデザインを検討しています。当初は、留学生が一箇所に集まる学校や教会等での配布を予定していましたが、継続的な感染対策が求められるなか、そのような場所はほとんどありません。感染対策をしながら効率よくパンフレットを配布する方法を見つけることが事業を進める上での課題になっています。メンバーでアイデアを出し合い、良い方法を見つけていきたいと思います。
「コロナ危機」のなかで多くの人々の暮らしに影響が生じていますが、弱い立場、不安定な立場に置かれやすい外国人の方々はより厳しい状況にあります。こうしたなかで一人でも多くの方の生活を支え、不安を和らげることができるよう活動を続けてまいりますので、引き続きご支援のほど、よろしくお願いいたします。