2018年アジア草の根助成、NPO法人アクセプト・ インターナショナルから活動報告を紹介します!

2018年度アジア草の根助成、NPO法人アクセプト・ インターナショナルからの活動報告を紹介します。テロリストを排除するのではなく、受け入れることで解決していく…。元テロリスト方々の環境や考え方、人間性のすべてを受け入れ、寄り添いながら、自分自身で考えるサポートをする姿には胸を打たれます。課題解決のための小さな一歩を踏み出したいあなたをぐらんは応援しています。


2019年6月に実施したインドネシア現地渡航活動では、中部ジャワ・スラカルタにて21名の元テロリストの方々を受け入れました。
本記事では、活動の背景や現地渡航の様子についてお伝えします。


問題意識:東南アジアにおけるグローバルテロリズム

日本に住む私たちにとってテロはあまり身近ではないかもしれません。しかし、実際には東南アジアでもテロリスクは増加しています。

その契機といわれるのが2002年にインドネシア・ジャワ島で発生したテロでした。実行犯はジェマ・イスラミヤと呼ばれる同国に活動拠点を持つテロ組織。アル・カイーダへの忠誠を誓っています。ASEAN各国はじめ自国におけるテロの脅威を認めざるを得ない状況が続いており、世界最大のイスラム教徒人口を抱えるインドネシアも例外ではありません。

今回私たちが受け入れた方々は、3~8年間の服役を終えて釈放された元テロリストの方々で、所属先としては、ジェマ・イスラミヤ、ラスカー・ヒスバなど地域で組織されたテロ組織のほか、海を渡ってアル・カイーダやISISの活動に参加された方々もいらっしゃいました。

刑務所におけるさらなる過激化の問題

刑務所におけるさらなる過激化や、テロ組織へのリクルートは、実は国際的な課題にもなっています。人権を無視したような処遇や、高すぎる人口密度を抱える劣悪な環境下では、収監された経験が脱過激化や社会復帰ではなく、場合によっては更なる過激化につながってしまうのです。

インドネシアにも同様の課題があります。2010年代半ば、地域テロ組織がイスラム国との協働テロ実行計画の画策中に大規模な一斉検挙が行われました。その際に逮捕された方々が近年徐々に釈放されつつあります。しかし、彼らの多くは長年の服役にも関わらず過激性が変わっていなかったり、彼らの過激性の高いコミュニティにしか戻れておらずら、テロ組織への再加入や再過激化のリスクが高いと考えられています。

今回渡航での実施事項

今回は、私たちの協働先であり、ソロ地域で服役を終えた元テロ組織メンバーとの強力なネットワークを持つ現地NGO・LKLKと協働で21名の元テロリストの方々の受け入れを実施しました。具体的な実施事項は以下の通りです。

①脱過激化ワークショップの実施

全参加者を迎えて、「ジハードとテロの違いは?」「先月ソロで発生したテロをどう考える?」といった質問を軸に、問題解決の手法としてテロが適切かとの問題提起をして、ディスカッションを通じて考えを深めます。また、後半では社会側の代表者としてキリスト教司祭、ソーシャルワーカー、警察、軍オフィサーの方々もお迎えし、共にディスカッションする中で相互の理解を促進しました。

終了後のアンケートでは、
「次回は、自分よりも大変な境遇にいたり、まだ過激な思想を持っている仲間を呼びたいと思った」(30代・参加者)
「自分は軍の職員として元テロリストの社会復帰に関わっているが、質問を軸に彼ら自身が考えを深めるワークショップは説得力があると感じた」(40代・軍職員)
「アクセプトが国際社会との懸け橋となってジハーディストたちの背景にあるストーリーを伝えてほしい」(40代・参加者)
といった声をいただくなど、熱意ある雰囲気のなかで無事に終了することができました。

豊かな宗教の知識や信念のもとに議論する彼らの姿と、一般にイメージされる「テロリスト」。その間には大きな隔たりがあるように感じられます。

もちろん過去を変えることができませんが、彼らもまた同じ「人間」であること、そして社会への怒りを背景に信条をもって行動された方々でもあるという側面を難しくても理解していくことは、社会復帰の成否を決める一つの鍵なのかもしれません。

②家庭・職場訪問

ワークショップ前後には、参加者の住居や職場を訪問することで、関係を構築するとともに、彼らの実際のおかれた状況への理解を深めました。その中では、過激度の高い「彼らの」コミュニティーには戻っているものの一般社会から離れている、家の前でテロリストとして逮捕されたため釈放されてからもコミュニティからの差別が根強いなど個別の課題が見えてきます。これらはプロファイリングとしてまとめて今後のフォローアップにも生かします。

③社会復帰フォローアップキットの配布

うまくいかない現実が再過激化の契機になります。そこで、何かあった時に頼ってもらえるように緊急連絡先や少額の参加謝礼を含む社会復帰フォローアップキットを配布しました。そこにはささやかながらに、参加への感謝の思いを手書きのメッセージを添えさせていただきました。また、日本人渡航期間以外も現地での取り組みが継続されるように、連携先の現地NGOとも打ち合わせを実施しました。


初のインドネシアでの20名単位での受入となりましたが、今回の実施事項を踏まえて、今後更に有意義な取り組みとできるよう、プログラムの見直しなど綿密に実施して参ります。引き続きの活動へのご理解・ご支援のほど、何卒宜しくお願い致します。

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