2018年度助成団体を紹介します【都内:一般社団法人キャンサーペアレンツ】

皆様の寄付により今年度もアジア2団体、都内5団体に草の根助成を贈ることが決まりました。これから少しずつ助成団体の紹介をしていきます。今回は、こどもをもつがん患者自身が運営する一般社団法人キャンサーペアレンツです。


わが国において、1年間に新たに発生する18歳未満のこどもを持つがん患者の数は約56,000人、またそのこどもたちの数は約87,000人と推定されています。(国立がん研究センター調べ)

働き世代、子育て世代として社会を担う人間が、突然がんと宣告され、病気と向き合うとなると、治療や生活、仕事、子育てなど悩みや不安は多岐にわたり、社会からの疎外感を感じやすく孤立しがちです。

そんな中、キャンサーペアレンツは、こどもをもつがん患者の団体として2016年に発足しました。

会員数は約3,100名、平均年齢は40台前半です。(2019年2月時点)

打ち合わせ風景

キャンサーペアレンツで、自分と同じ境遇の仲間とつながることは、孤独から抜け出し、患者や家族にとって、その人らしさ、日常を取り戻すきっかけとなり、また新たな人生の一歩を踏み出す患者さんも多くいます。

キャンサーペアレンツの事業モデルには、患者のアクションが、患者の気持ちを前に向かせ、生きる力につながるという理念があります。患者自身が自らの思いや経験を社会に発信する「えほんプロジェクト」の活動は、まさにそうした代表的なアクションツールのひとつです。

経験も知識もお金も何もない中、メンバーそれぞれにできることを協力しながら、思いをもってすすめてきました。現在も治療中の患者もいれば、プロジェクトの半ばで旅立ったメンバーもおります。けれど、彼らの思いは、今を生きる私たちと共にあり続けると感じています。

そうした中、2018年、「えほんプロジェクト」は、第一弾の作品である「ママのバレッタ」を少ない予算で限定印刷し、ご縁のある病院や学校に寄贈させていただきました。

ある小学校での読み聞かせをおこなった際には、がんに関するアンケートも実施いたしました。

それについては、第56回日本癌治療学会学術集会PAL(ペイシェント・アドボケイト・リーダーシップ・プログラム)にて研究結果を発表し、ポスター最優秀賞を受賞するという名誉な機会に恵まれました。

学術大会

私たちは、こどもをもつがん患者団体から生まれた「えほんプロジェクト」の作品、そしてその活動が,患者やその家族におけるピアサポート的な役割となることを願っています。

さらには、絵本が患者コミュニティを越え、家庭や地域に浸透していく中で、一般社会において、がんという病気を身近に考え、理解するきっかけとなる、そんなオープンなツールとして役立つことを期待しています。

がんは、まだまだ誤解や偏見の多い病気であること。それは、患者自身が、誰よりも身をもって経験しています。

がんになっても子育てしやすい、生きやすい社会にしたい、というのは、これからがんになるかもしれない人に、自分たちと同じことで悩んでほしくない、そんな切実な思いもあります。そして何より、親として、こどもたちのために、よりよい未来につなげていきたいという願いが、私たちの活動の原動力になっています。

今回の助成金を活用して、そんな私たちの思いをより多くの方に届けていきたいと考えています。

全国のキャンサーペアレンツ会員を中心に、がん診療連携拠点病院、図書館、小中学校を中心に絵本の寄贈を行い、また、絵本を活用したイベント等を実施したいと計画中です。

2018年には、静岡県三島市の図書館にて、がん検診啓発月間のイベントとして、がん検診向上を目的としたお話会を市民向けに実施いたしました。また今年は、都内の幼稚園にて、「ママのバレッタ」の絵本を含む、絵本の朗読と音楽演奏(馬頭琴)を組み合わせた、チャリティコンサートも予定しております。

小学校での読み聞かせ風景

今後さらに、助成金をもとに新しい企画や活動の幅を広げ、患者の生きる力、がんになったからこそ社会のためにできることを最大限に発揮していきたいです。

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