文京区地域協議会/草の根市民基金・ぐらん 共催企画報告
『どこで生まれても、どんなところで育っても 「君たちみんな輝いてほしいから!」』をテーマに、10月15日文京区のシビックセンターで行われたセミナーのご報告を致します。
ゲストスピーカーとして、NPO法人アピュイと認定NPO法人PIECESにそれぞれの活動を通して社会と繋がりにくい状態にある子どもへの支援を語っていただきました。ともに(偶然ですが)2015年度都内草の根助成団体です。
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最初に多摩市から来てくださったNPO法人アピュイ代表の武内さんからの報告がありました。武内さんは、もともと病院勤務の言語聴覚士をされていたそうです。仕事の枠ではどうしても支援することへの制約があり、発達の特性や、家庭の事情などでそこからこぼれてしまう子どもたちへ学習支援を行う活動を始めたそうです。
当初は、みんな手弁当でボランティアで活動されていたそうで、家賃を払うためにご自身の息子さんを物件に住まわせて家賃を折半していた、というエピソードも。そうした立ち上げ時に、ぐらんの助成金を受けてとても助かったとのことでした。
子どもたちを継続して支援していくためにはスタッフの身分の安定も重要なことと考え、平成29年4月に、東京都の指定事業である児童発達支援・放課後等デイサービス「発達相談支援センターころのあ」を開業し安定して運営ができるようになったそうです。
現在も想いは変わらず、1人1人が大切にされる社会を目指して支援していきたいと日々活動されています。
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次に認定NPO法人PIECESの荒井さんからの報告です。
貧困や虐待、不登校などといった課題を抱え、孤立した子達の支援を行っていますが、ユニークなのは伴走支援のあり方で、学習など支援の枠を特定せず一緒にずっとゲームをやっていることもあるそうです。
問題を抱えた子どもたちの多くは、大人に対して心を開きにくく、また行政や学校など『公』が嫌い。そうしたニオイを感じ取ると途端に離れてしまう、だからまずその子が興味があること、好きなことに入っていって時間を共有するうちに「お前からなら勉強教えてもらってやってもいいぜ」という関係ができてくる、という話に、なるほどなあと会場から感心の声が。
ぐらんの助成対象の活動だった、『子どもと年齢の近い若者を「コミュニティユースワーカー」として育成、仕組みをつくる』がさらに発展・活躍の場を広げられていること、認定法人格が取れたことなど、まだ20代の荒井さんの親(祖父母?)世代の運営委員にとっては団体が成長していくことを目の当たりにして本当に嬉しく感じていたようです。
現在は文京区内にある一軒屋を借りて活動拠点とし、ゲーム会社と連携するなど、ますます活動の幅が広がっています。