助成団体物語_NPO法人 高麗博物館 韓流(現、韓流文化研究会)(2014年助成)遠藤久美子さん、吉永香代子さんインタビュー
こんにちは。草の根市民基金・ぐらん事務局です。先月からスタートした助成団体物語第二弾です。
ぐらんは、市民の自発的な「思い」からスタートした団体をこれまでにも数多く支援してきました。
今回ご紹介するのはNPO法人 高麗博物館 韓流の会(現、韓流文化研究会) (2014年助成)遠藤久美子さん、吉永香代子さんのお二人です。
―活動を始めたきっかけ、助成を申請した理由は何ですか
2人とも韓流ブームなどで韓国に関心を持ち、偶然に高麗博物館の前を通りかかったことが、この活動を始めるきっかけでした。活動を始めて、「こんなに近い国なのに、どうして韓国のことを知らなかったんだろう」と衝撃を受けました。高麗博物館は「市民がつくる日本とコリア交流の歴史博物館」で、私たちも含めてボランティアで活動を行っています。ボランティアには社会科の先生だった方も多いですね。「日本と韓国、朝鮮」が仲良くしていきたいと考える、日本の市民と在日韓国・朝鮮の市民が中心となっていて全国に会員がいます。
ぐらんへ申請した活動は、「韓流の会(現、韓流文化研究会)」です。韓国は日本以上にテレビドラマが盛んです。また制度や仕組みがどんどん変わっていく部分もあって、ドラマが時代を映し出すだけではなく、社会の変化をドラマが後押しすることすらあります。また、制作を行っている脚本家に女性がとても多いことも特徴のひとつです。良く見てみると、女性の視点から社会問題を描いているドラマがとても多く、女性の製作者がジェンダー的な願いやメッセージを持ってドラマを作っていることを感じました。そこで、韓流ブームをつくった日本の中高年女性がジェンダーの視点で韓流ドラマを考えてみようという活動が始まりました。
―実際に活動をしてみて、いかがでしたか?
まず3ヶ月半のパネルを使った企画展示「韓流 -女性が拓く新たな交流 ~韓国ドラマで見るジェンダー」を高麗博物館の展示室で行いました。期間中の来場者数は857名と、多くの皆さんにご来場いただきました。
また、山下英愛教授(文教大学)をお招きして「韓国ドラマに見る女性たち」をテーマにした講演会を開催し、120名を超える方に来ていただきました。さらに、その後には来場者の皆さんに呼びかけたミニイベントも開催しています。これらを通して、来場者の皆さんからは「ドラマの背景にある韓国社会を理解するようになった」、「韓国の女性たちの生きづらさとパワーの両方を知ることができた」などの感想をいただいています。
韓流文化研究会の活動を今後も続けていくことで、大衆文化を通して韓国の歴史や社会や文化を理解する方が増えていけばと考えています。
―ぐらんへのメッセージをお願いします
ぐらんのように「文化活動」や「成果が目に見えにくい活動」へのご支援いただける基金はあまりありません。また、時には「平和」や「人権」といったテーマが政治的に受け止められることもありますので、なおさら難しいのだろうと思われます。その中で、ぐらんの助成は大変に貴重です。
公開選考会では、女性の方々が多く選考をしておられたことが印象的でした。だからこそジェンダーという視点を評価いただいたのではないかと思います。また、選考会や交流会ではいろいろな分野の団体のお話しをお聞きすることができ、とても勉強になりました。これからも、こうした助成金制度の灯を絶やすことなく続けていただけることを切に願っております。
ぐらんはこれからも、ぜひ沢山の皆さまと共に地域社会を豊かにしていきたいと考えています。ぐらんの活動にご関心を持った皆さま、ぜひご支援をよろしくお願いいたします。