助成団体物語_3keys(2009年助成) 代表理事森山 誉恵さんインタビュー
こんにちは。草の根市民基金・ぐらん事務局です。
先月からスタートしたのはぐらんを支えてくださる方を紹介する『寄付者物語』でしたが、今月からスタートするのは『助成団体物語』です。
ぐらんは、これまで多くの立ち上げ間もない団体のスタートアップを支援してきました。
今回ご紹介するのは認定NPO法人3keysです。現在の代表理事である森山さんがまだ大学生だった2009年、任意団体として応募しました。
活動を始めたきっかけは、児童擁護施設でボランティアをした時にそこで自分と同世代の子どもが、ひどい虐待や貧困の問題を負っていることに衝撃を受け、自分達に出来ることは何だろうと考えて、大学生が学習支援をするサークル的な団体を友人と始めたということです。
「活動していくうちに、支援するための資金稼ぎと大学との両立が厳しくなっていったこともあってファンドレイズを考えるようになり、一緒に活動していた友人が見つけてきたのが「草の根市民基金・ぐらん」でした。
その後、活動を続けていくうちに、児童養護施設だけではない構造的な社会課題に気がつきました。家の中の問題、児童福祉の問題、施設の外にある問題などです。そのためメンバーと議論をして「児童養護施設の子どもに学習を教える団体」から、「子どもの権利を保障する団体」に性質を変えることとし、団体の定款を変えて「頼れる大人がいない子どもの支援」に関する事業を行うようになりました。
2016年には、それまでに集めてきた資金を活用して新たに3名を雇用しました。団体の活動の幅が増えたこと、3keysに行政やメディアが関心を示していたことが大きな理由ですが、私を含む初期メンバーが結婚や出産を考え始めたことも一つの理由でした。2018年現在では、10名のスタッフを雇用することができるようになりました。」
現在は、学習だけではなく10代のための相談窓口まとめサイトMex(ミークス)(https://me-x.jp/)を立ち上げ、子ども自身がアクセスして、家族や友達関係・からだのことなど、人には言えないことが相談できるような支援の仕組みを作るなど、団体の社会的な役割はその後大きく成長しています。先月は2万件のアクセスがあったそうです。
3keysが公開選考会でプレゼンテーションした当時、「学生ということで、卒業後、事業の継続はどうしていくのか」という鋭い質問をした運営委員は、最近ある催しで堂々と基調講演を行う立場となった森山さんの姿を見て「こんなに成長されて、感無量だわ」という感想を漏らしていました。そして森山さんは今年の春にはお母さんになったそうです。
結婚や出産といった人生のイベントと組織運営を、自分が全てに携わらなくても組織として行える体制を少しずつ構築していったという緻密な計画ですが、はたからは実に軽やかに行っているように見えます。それが森山さんの、3keysの魅力でしょうね。
最後にぐらんについてメッセージをいただきました。
「これからという団体にとって、ぐらんのスタートアップを応援する仕組みはとてもありがたいと思います。ぐらんは資金使途に自由度の高い助成をされていますね。これからも、いまの形を続けていただけたらと思います。また私が大学生の時から現在まで、一回の助成に終わらない継続した関係を保っていただけていることを、とても嬉しく思っています。」
ぐらんはこうした団体を応援してきました。これからも、ぜひ沢山の皆さまと共に地域社会を豊かにしていきたいと考えています。ぐらんの活動にご関心を持った皆さま、ぜひご支援をよろしくお願いいたします。