草の根市民基金・ぐらん

「草の根市民基金・ぐらん」は、多様な市民活動を支援する、
すべてのプロセスが「市民参加型」の基金です。

寄付のお願い ぐらんについて 助成先団体一覧 助成先団体レポート 選考会・交流会の様子 助成を希望されるみなさんへ
助成先団体レポート
ホーム > 助成先団体レポート > 〜2009年度

助成先団体レポートトップ




寄付のお願い

 

助成先団体レポート

野宿者自身による便利屋事業を通じた就労プロジェク

Asia Worker's Network あうん

あうん

あうんは、野宿者(ホームレス)・元野宿者などの、いわゆる「生活困窮者」とそのサポーターたちが、自分たち自身の手による仕事起こしを目指して、「便利屋」「家電パック販売」「リサイクルショップ」など、多くの事業を行っている。社会性が強く、一方でコミュニティビジネスとしても発展を続けているユニークな事業体。

活動拠点 荒川区ほか、東京全体
活動ジャンル 人権・ジェンダー
助成を受けた年 2004年度
助成金額 500,000円
助成対象となった活動 野宿者自身による便利屋事業を通じた就労プロジェクト
連絡先 〒116-0014 東京都荒川区東日暮里1-36-10
Tel/Fax:03-5604-0873
URL http://www.awn-net.com/

「命と労働と暮らし」を支えあう仕事づくりへ

2006年12月16日更新

ホームレス問題に対し、「自分たちによる仕事作り」というアプローチから取り組んでいる「あうん」。問題の当事者自身が参加でき、また垣根が低く誰でも参加できる活動を行うことで、その解決を目指している。同団体の活動から、社会的事業のあり方や、「労働・仕事」を通じた社会とのつながりについて考える。

■社会的なミッションと事業性の両立

近年、ホームレスをめぐる状況は、公園からの排除が強まるなど厳しくなってきている。行政でも、施策としてホームレス支援を行ってはいるが、支援マニュアルとその把握が不足しているのが現状だ。そのため、どうしても住居などのハード面が中心になることが多く、その結果、せっかく用意した住居が暮らす場として機能しないなどの課題が残ってしまっている。

そのような状況の中、2002年に「当事者自身が仕事をつくることによってホームレス問題を自ら解決する」という目的のもと、「あうん」は古着事業と便利屋事業を開始。そして、2004年に草の根市民基金からの助成金で自前の軽トラックを購入したことで、便利屋事業で請けられる仕事の量や種類の幅が広がった。

現在の主な事業は、便利屋(引越し、家財道具の処分、掃除・片付けなど)、野宿者や留学生などがアパートを借りる際に必要な家電のパック販売、衣類・雑貨のリサイクルショップ、リフォームやテープ起こし・・・など、多岐に渡る。最近は、自前で1トントラックを購入、ニュースレターを送っている支援者は1000人近くになるなど、事業としても採算が合うようになってきた。

「あうん」は、社会的な活動という面が大きい一方で、事業性も高く意識している。ホームレス生活そのものや支援活動をしてきた中で、気付いてはいたが未解決だった課題を、参加している人の特性を生かしながら採算が取れる事業にし、継続的に本来のミッションを達成していく。これは「多くの人が求めていたものを事業化する」という、まさに社会的起業であり、コミュニティビジネスの一つの優れた形だと言える。

■働きながら、暮らしを取り戻す

ホームレス支援は、「住まいがあれば解決する」ような、単純な問題ではない。「あうん」は、路上生活をしている人たちが仕事をすることによって誇りを取り戻し、社会とのつながりを仕事によって得る、ということが重要な支援だと考えている。彼らが自分で仕事をすることをエネルギーとして、住居や健康を維持し、排除されていたさまざまな社会環境との接点を取り戻す。これは行政等による支援サービスとは違う、本来的な「暮らしを自分の力でひとつずつ作っていくための支援」と言える。
また、「フードバンク」「自立サポートセンターもやい」「隅田川医療相談会実行委員会」など他のNPOと連携をとり、仕事づくり以外のさまざまな問題と向き合う活動も行なっている。

担当者の中村さんは、高齢化社会の中で孤独に暮らしている独居老人や、フリーターなどで生活が不安定な若者など、これまでのホームレス問題だけではなく、新しい社会的な問題についても、あうんが仕事づくりという面から橋渡しができないかと考えている。
「働くこと」を基点にしながら、「人間の誇り」や「社会とのつながり」を自分自身でつくっていく「あうん」の活動は、今後ますます重要になっていくと思われる。

●あうんからのメッセージ

家電製品(2000年以降製造)や衣類・雑貨などは、大部分が寄付で成り立っています。皆さまからのご寄付をぜひよろしくお願いします。また便利屋事業の仕事依頼、活動に関心を持った方のご連絡についても、お待ちしています。

 

あうんへのご寄付は、「送られた物品が仕事につながる」ことが趣旨です。皆が力を発揮するために、ぜひ様々なご支援をよろしくお願いします。

 

 

    ページトップへ
Copyright (C) 2007 Citizen's Fund Grand All rights reserved.