草の根市民基金・ぐらん

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2014年 起業するちから

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草の根テーマ集会「起業するちから」

 2014年8月8日(金)、世田谷区経堂の生活クラブ館にて「草の根テーマ集会」を開催しました。今回のテーマは『起業するちから』。 「若者」や「しごと」などをテーマに活躍している2団体をお迎えし、活動のご紹介と、「起業するちから」に関する鼎談を行いました。

 今回は、インターンとして参加してくれた桜美林大学3年生の師岡茜さんが寄せてくださった当日のレポートを、報告として掲載いたします。

起業するちから

 「認定NPO法人まちぽっと」でインターンをさせていただいている桜美林大学3年の師岡です。
8月8日に起業するちからをテーマにした集会に参加させていただき、「企業組合あうん」の中村さんと、 「特定NPO法人3keys」の森山さんから起業までの経緯や団体の現状、今後の課題についてお話を聞くことができました。
 今回は二団体の紹介を交えて集会の報告をさせていただきます。  


■企業組合あうん
 山谷で日雇労働をしていた中村さん。バブル崩壊後働き先が激減し野宿を余儀なくされた方や失業された方が増え、そんな仲間たちと「使い捨て」ではない労働、 生きがいと誇りのある働き方の実現を目指し2002年に「古着リサイクルショップ」としてあうんを立ち上げました。
 現在は衣類以外にも家具や家電などをリサイクル品として販売するとともに、便利屋としても活動の幅を拡げています。便利屋では引越しや掃除、片付けなどを区役所や福祉事務所、高齢の方などから多くの依頼を受けているそうです。また、月に一度医療相談会を開催し300〜400人ほどの方がいらして、生活保護の申請方法などの情報も提供しています。
 野宿者で病院での診療を受けることができない方がいる、ということで私たちの生活に欠かせない健康面もサポートを行っているそうです。
《今後の課題や問題は?》
 今は若者や中高年が安心、安定して働ける環境が少ないので、仕事と福祉がしっかりと機能していくことが必要だと考えている。
 非営利部門をどのように事業に関連させていくかが今後の課題です。


■特定NPO法人3keys

 森山さんが大学生時代に児童養護施設でボランティアに参加し、子どもの貧困や権利保障の問題に触れたことが、「3keys」という団体の活動を始めるきっかけになったそうです。
 活動内容は学習支援、法律・権利保障、社会への情報発信で、対象となるのは親の貧困、虐待などをうけ保護された子、母子家庭の子、生活保護のもとの子どもたちです。 この対象となる子どもたちは国が対応していない分野にいる子どもたちで、現在は小学生、高校生をサポートしています。
 母子家庭の子や児童養護施設にいる子どもたちを支援対象にしている理由は、もともと家庭で十分な学習環境になかったことや生活の過程で学習が遅れてしまう、 学校に通えなくなってしまうといった子が少なくないという現状と、児童養護施設を対象に行った調査でも外部からの学習サポートが助けになるということでした。
《今後の課題や問題は?》
 現在は東京、千葉、神奈川で活動を行っているので、今後は都市部以外でも支援モデルをつくっていきたい。
 また、児童養護施設だけでなく個人の相談にものれるように活動を変えていくことが今後の課題です。


◇   ◇   ◇

 


 今回お話をしていただいた二つの団体は活動内容や支援対象が全く異なっていましたが、中村さんも森山さんも自分が経験したことや実際に感じた問題点を元に支援対象者の気持ちや状況をより近い立場で理解し事業を行っているところに共通点を感じました。
 二団体のお話を聞いて私がとても気になった点がいくつかありました。
 一つ目が「あうん」の理念です。「1人1人が主体となり、お互いに支え合う仕事づくり」、「みんなが対等な関係に立った仕事づくり」といったように、上下関係を作らず一緒に仕事をする仲間として互いに支え合い苦手な点は補い合うといった姿勢が素晴らしいと思いました。
 野宿者の方や引きこもりがちだった方とバックグラウンドは様々だけれども、理解し合い、仕事をする責任をそれぞれ持つという大切さも意識している点が、「あうん」が長く続いている理由なのではないかと感じました。
 二つ目は「3keys」の社会への発信についてです。若者や男性など、子どもたちと近い存在のようで実はなかなかこの問題に関わるきっかけが少なさそうな方たちへ情報発信を行っています。 私も今回この企画に参加するまでは知らなかった日本の子どもの学習環境の問題でしたが、私のような大学生が参加していくことで多くの人に広がり、この問題を意識していく必要があると考えました。
 3keysでは支援者の年代別に支援方法を考えていて、10〜30代は子どもたちに直接支援、40代以上は寄付や発信、ネットワークに協力してもらう、といったように、支援方法も明確で関わりやすく参加しやすいプランだと感じました。


 NPOというと海外支援を連想しがちですが、日本国内で私たちの身近に起きている問題や課題は数多くあるということをこの企画に参加し改めて実感しました。 以前から興味のあった日本の野宿者の方向けの施設や活動について「あうん」さんから直接お話しを聞くことができとても勉強になりました。 また、「3keys」の、子どもの生活環境が学習遅れの要因になるというお話も今まで知らなかったことだったので、 これからこの問題についても意識して生活していきたいと思いました。
 今回のお話を聞いて、自分は関わっていないような問題でも実は関係があったり、力になれるということがわかりました。 直接支援だけでなく、各問題を知り、その情報を発信していくことも問題解決の上では大切だということをたくさんの人に知ってもらえたらいいと思いました。
 この企画で問題や疑問に思ったことを改善するために行動することの大切さに気付かせていただきました。







 いま、とても注目を集める2団体の代表の方と直接交流ができる貴重な機会に、大学生の率直なレポートを寄せていただきました。
師岡さんにとっても新たな世界を知る良いきっかけになっていればと思います。ありがとうございました。

当日ご参加いただいた皆様も、ありがとうございました。
またこのような機会にはぜひお集まりください!

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