第一部では、2014年度にアジア草の根助成を行った2団体と、都内草の根助成を行った7団体による報告会です。助成金で行った活動と成果・今後の課題などを、来場者の前で発表して頂きました。寄付者や賛同・応援をしてくださった方々に対して直接成果の発表を行うことが、ぐらんの特徴のひとつです。
発表方法はスライド形式で行う団体が数を占めましたが、中には活動をVIDEOで記録し、更に作品として仕上げたものを上映した団体や、いろいろな形を考案したコミュニケーションツールを紹介する団体もありました。また、報告者自身のパフォーマンスで会場を沸かせる団体もあり、その熱心な発表の姿に、参加した皆さんはとても楽しまれた様子でした。
■NPO法人 イランの障害者を支援するミントの会(アジア助成、中間報告)
交通事故が多い国イラン。まだ支援があまり充実していないイランの在宅障害者へ、ワークショップや自宅訪問を行い、日本の専門家による高度なリハビリ技術や知識を伝えました。その活動は希望を与え、自分たちで生活をよくしていくためのきっかけづくりが出来ました。今後はデイサービスをはじめる予定です。
■NPO法人 手のひら 人身売買に立ち向かう会(アジア助成、最終報告)
外出困難な多胎児のお母さんが安心できる場所をつくることで孤立感が減り、育児負担感の解消につながることで笑顔が増えました。双子を産んで良かったと思えるようになったと言ってくれたママがいました。事業が市に評価され、市からの支援もいただけるようになりました。
■地域生活定着支援事業 ヒゲの会(都内助成)
刑務所出所者に対する就労支援として、廃品回収事業の実施を行っています。助成金は仕事を行うためのトラックの購入に充てました。基金を受けることによって公益性が担保され、リサイクル活動の他、家屋の片付け、引越しの手伝いなどにも仕事が広がりました。
■グリーフサポートせたがや
さまざまなグリーフ(死別などの喪失体験に対する心身の反応)を抱えたひとを支援するプログラムを行っています。ひとりひとりのグリーフは多様で、個別の相談も始めています。大人だけでなく、子どもにも情報が届くように、工夫していきたいと思っています。
■福島と立川の子どもたちの会
福島の原子力発電所の事故による放射能汚染の不安から離れて、立川市で子どもたちと親が外遊びをする保養事業です。福島の現状把握から、講演会、さまざまな人との交流会、国営公園でのウォークラリーやバーベキューなど多彩なプログラムを実施しました。ぐらんとの関わりを通じて、多様な分野への支援活動・団体を知ることができ、交流も生まれ、「社会貢献とは何か?」を考えるよい機会をいただいていると思っています。
■CCS世界の子どもと手をつなぐ学生の会
日本の大学生による、外国にルーツを持つ子ども、今回は特に高校生への教育支援に助成を活用しました。日本の社会制度と子どもの進路などを親に説明したり、高校生のためのガイダンスや個別相談などを開催。参加者からは「学校で教えてくれないことを知ることが出来た」「不安だったが、少し安心した」といった声がありました。今後は専門家とも連携を図り、体制・しくみを強化していきたいと思います。
■患医ねっと
患者自身が医療との関わりを学び、よりよい治療を受けるという新しい考え方を広めるため、地域コミュニティ「ペイシェントサロン」を開設、ファシリテーターを育成しました。今後は口コミやフェイスブックの活用などを検討し、広報にも力を入れていく予定です。
■NPO法人 東京多摩いのちの電話
孤独や精神的な危機にある人たちの声に、相談員が無料で耳を傾ける「いのちの電話」活動を多摩地域で続けています。ロンドンで始まり、日本では1971年に誕生、約50箇所の拠点で活動をしていますが、運営は各センターで行っていて資金確保に苦労をしています。これからも「見える助成金」の支援を続けていただくことを願っています。
■NPO法人 ReBit
教職員向けに、セクシャルマイノリティ(性的少数者・LGBT)への理解を深めるための啓発資料を作成し、違いを受け入れる社会づくりを目指しています。発足時からずっと支援をしていただき、教材やハンドブックの作成、就活支援や成人式イベントも行っています。
※この他にも、会場にお越しいただいた参加団体の方々から多くのコメントをいただきました。
|