第1に、2011年度から開始した20代〜30代前半の若い女性たちが、身近な人権やジェンダー問題について気軽に話し合うことのできる空間作り「ジェンダーカフェ」を継続して実施する。
第2に、若い世代の視点からジェンダーと人権について学ぶ連続セミナーを開催する。
第3に、これらの活動から学んだことをもとに、若い世代自身が同世代を対象に、ジェンダーと人権についてわかりやすく楽しく理解を深めるためのワークショップ教材を開発する。プログラムには制作チームのメンバーから4名に、連絡調整等の作業担当のプログラム・コーディネーターと、ワークショップの制作アシスタントを担ってもらい、非営利団体での職務経験を積みリーダーシップを育成する機会を提供する。
<具体的な活動内容>
●2012年4月
◎ワークショップ制作チーム募集、第1回WS制作ミーティング
ホームページやSNS(Facebook、Twitter)でワークショップ教材の制作メンバーを募集し、集まったメンバーで第1回ミーティングを行った。
●2012年6月
◎「ジェンダーと人権」連続セミナー第1回「『完璧な身体』という強迫−映画『イリュージョニスト』監督エレナ・ロッシさんを迎えて」(6/7)
◆講師:エレナ・ロッシーニさん ◆開場:東京ウィメンズプラザ ◆参加人数:20名今や女性だけでなく、少女や男性にも向けられるようになっている「より美しく、より若く」というメッセージ。美容業界は理想的な身体のイメージをどのように作り出し、売り込んでいるのか、映画作家エレナ・ロッシーニさんに、作成中のドキュメンタリー映画『イリュージョニスト』についてお話をうかがった。
◎「ジェンダーカフェ」第1回「『カレシいる?』から始めない/始まらないわたしたちの生き方」(6/25)
◆ゲスト:若林苗子さん ◆会場:かまいキッチン(下北沢) ◆参加人数:9名セクシュアリティをテーマにジェンダーカフェを開催。友達と会話するとき、とりあえず「カレシとどう?」と恋愛の話を始めようとする/されることや、旅行や映画などレジャー関係によく見る「カップル割引」、雑誌で組まれる女と男の「カップル特集」など、「女なら男とカップルになって当然」という考えについて参加者がどう感じているのか話し合った。職場、友人、家族など、日常の様々な場面で私たちは一対一の恋愛を迫られている。「カップルって幸せ」というメッセージにあふれた若い世代向けの雑誌を見ながら、異性愛主義や結婚のプレッシャーについて考えた。
●2012年8月
◎ジェンダーカフェ」第2回「着たい服きている?〜わたしたちの見た目の選び方〜」(8/27)
◆ゲスト:野ざらしマリーさん ◆会場:かまいキッチン(下北沢) ◆参加人数:10名わたしたちの日常に広がる「女らしさ」や「見た目」をテーマに「ジェンダーカフェ」を開催。主にファッションやメイクを切り口に、若い女性に期待される見た目の問題について話し合った。「男からのまなざし」、「周りにいろいろ言われても着たい服がある」など多くの意見が交わされた。
●2012年10月
◎「ジェンダーと人権」連続セミナー第2回「沖縄の基地と女性の人権」(10/17)
◆講師:比屋根麻里乃さん ◆会場:渋谷区女性センターアイリス ◆参加人数:9名沖縄の基地と女性をテーマに、沖縄タイムスの若手記者である比屋根さんを招いてセミナーを開催。沖縄の現状と米軍基地周辺で起こり続けている性暴力被害の実態を学んだ。この勉強会で学んだ内容は、12月8日にユースグループが取り組んだ女性に対する暴力がテーマの「Fashion Resistance to Militarism ファッションショー2012」での「沖縄の基地と女性」セクションで活かすことができた。
◎「ジェンダーカフェ」第3回「きょうのご飯、誰がつくるの?みんなの家事の分担、教えて!」(10/23)
◆ゲスト:白崎朝子さん ◆会場:かまいキッチン(下北沢) ◆参加人数:6名家で掃除、洗濯、食事を作るのは誰か。生きていくために必要な家事をどうやって分担したいと思っているかをテーマに開催。「女は家事」「男は仕事」という固定概念が根強いことへの怒りや違和感を話しました。性別役割分業は決して「家庭」のなかだけの話ではなく、女性が仕事の場にいてもぶち当たる壁だということも確認した。
●2012年11月
◎「ジェンダーと人権」連続セミナー第3回「ジェンダーカフェ特別版‐ちかん最悪!わたしたちは悪くないってこと話そう」(11/27 )
◆ゲスト:西野恵子さん ◆会場:かまいキッチン(下北沢) ◆参加人数:5名好評だったジェンダーカフェを特別版という形で、連続セミナーの一環として開催。被害に遭っても「スカートが短いから」「あなたに隙があったから」と女性のせいにされたりと、2重の被害を受けることもある痴漢犯罪という性暴力。かなり多くの女性が被害にあっていることがわかり、性暴力を女性個人の問題にされないために、また被害を話せずに傷がよりいっそう深くなってしまわないように、どんなことができるかについても話し合った。
●2013年4月
ワークショップ教材完成
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